イギリスへの誘い
イギリスで学ぶことの魅力
イギリスで学ぶことの魅力 1
なぜ、イギリス留学なのか。
グランドツアーの伝統
— イギリスは、留学の大先輩。
「5マイル先の美しい街へ行くより、100マイルをものともせず一人の賢人と話しをしに行く方が良い」
これは、英語辞典の編纂で名高いサミュエル・ジョンソンの言葉です。
彼が生きた18世紀のイギリスには、上流階級の若者が教育の仕上げとして、ヨーロッパ大陸へ修行の旅に出る「グランドツアー(大研修旅行)」という習慣がありました。
日本と同じ島国イギリスは、冒険心を持って海を越え、未知の国を訪問し、新しい知識や文化を吸収して持ち帰る、留学の大先輩でもあったのです。
グランドツアーの精神は、ギャップイヤーという形で現代のイギリスにも受け継がれています。大学への入学を1年保留にして見聞の旅に出るこの制度は、近年、日本でも秋学期入学導入の議論とともに注目を集めています。
「英語」は世界共通語
— イギリスは、発祥の地。
イギリスといえば、英語発祥の地。
クィーンズ・イングリッシュと呼ばれる、正統派の英語を学びに毎年60万を超える人々がイギリスを訪れています。
かつて、世界各地に植民地を持っていたイギリスは、英語教育を統治政策の基本としていました。
植民地のエリート層を英語で教育することにより、行政も英語が支配的となり、法律の草案も英語で行われるなど、公的な言語として使われるようになりました。
独立後も、英連邦諸国では、英語が共通言語として使用されています。こうした英語の広がりを背景に、イギリスは長年に渡る英語教育のノウハウを蓄積、結果として英語教育において非常に高い水準を誇っています。
厳格な監査制度「教育の質」の
基準が明確。
イギリスは、教育の質に関する基準や、その評価方法において世界を一歩リードしています。その制度によって、留学生は安心して留学先の学校を選ぶことができます。
- British Councilはイギリスの政府機関で、外国語としての英語(EFL)コースを開設している英国の学校、カレッジ、大学に対し、品質管理の認定を行っています。
経験を積んだ独立した機関からの審査官が学校を定期的に訪問し、高い基準を満たした学校のみが、認定校として承認されます。
監査項目の中では、ホームステイに関しても一定の質の確保を求めるほど徹底しています。 British Council の認定校の連盟が English UK です。 - British Accreditation Council BACは、主としてチュートリアルカレッジや専門学校など、私立の高等教育機関について、独自の基準を設定し、認定を行っています。
英語以外の専門科目や資格コースについて、47名の調査官が監査を行っており、現在約222校(2019年)が認定を受けています。 - Independent Schools Inspectorateは、イングランド・ウェールズ地域の私立学校の監査を行う機関です。
カリキュラム内容・学生の進捗度・学生のケア・教職員の質や管理など、幅広い分野に渡る査察を行い、項目別に4段階で評価を行います。評価の内容は、一般に公開されます。
この評価を基準に、UKBAが学校に対してビザスポンサーの認可を行っています。認可を受けた学校は、Tier4ビザ発行のための入学許可書(CAS letter)を発行することができます。
世界各国から、
偏りなく留学生が集まるイギリス。
特定の地域や国籍に偏らず、世界各国から万遍なく留学生が集まってくるのが、イギリスの特徴です。
これは、英語を学べる主要国MESDs(Major English – speaking destinations・カナダ・アメリカ・オーストラリア・マルタ・ニュージーランド・南アフリカ)の中で、最も際立った特徴と言えるでしょう。
British Councilの認可を受けた英語学校の連盟English UKの調査によれば、2018年に連盟の全419校で学んだ留学生は約50.4万人。ヨーロッパを中心に、アジア・中近東・南米・アフリカからも学生が集まっています。
ヨーロッパ大陸は、目と鼻の先。
イギリスで学びながら、
欧州諸国を知る。
イギリスの正式名称は、United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandで、イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドから成る連合王国です。
ストーンヘンジに代表される石器時代から、紀元前9世紀頃のケルト人の侵入、その後ローマ人による支配、さらにゲルマン人の侵入、ノルマン王の征服によるフランスの支配の時代と、長い歴史の中で英語文化が育まれてきました。
ロンドンはもちろん、地方の小さな町に至るまで、その土地にまつわる歴史や史跡を辿ることができるのも、イギリスで学ぶ魅力のひとつでしょう。
英語の後は、進学の幅広いオプション。
一定の英語力を身につけたら、その先の高等教育機関への進学の可能性が広がります。
イギリスには、学位取得可能な大学が180以上、専門学校は500以上あります。大学の学部は3年間、大学院の修士課程は1年間が主流ですので、レベルの高い教育課程を日本より短い期間で修了することができます。
また、専門学校には、各分野で基礎からプロフェッショナルなレベルまでコースが用意されており、幅広い選択肢の中から将来のキャリアを見据えて進路を選ぶことができます。
イギリスで学ぶことの魅力 2
イギリス英語と
アメリカ英語について
考える
England and America aretwo countries divided by a common language.
イギリスとアメリカは
共通の言語で分断された国である
多くの名言・格言を残したバーナード・ショーの言葉です。
イギリス英語とアメリカ英語は、スペルや発音などのハード面での相違点の他、言葉としての強弱、言い回し、表現方法など、ソフト面での相違点も多くあります。
共通言語ですので、言葉としての意味は通じますが、使う言語でコミュニケーションのニュアンスが微妙に異なってきます。
言葉には文化が反映されます。その国で言語を学ぶということは、その国の性質や人びとを学ぶ事、自分の興味のある世界、将来図などを考えながら、学びたい英語を考慮することも大切と言えるでしょう。
イギリス英語の特徴
- 文法を正しく忠実に使った表現
- 文章がきれいで丁寧な印象
- 発音も比較的スペルに忠実にはっきりと発音する
- 言葉の省略形を使用しない
- 単語の途中のRはあまりはっきり発音し、Tははっきり発音する
アメリカ英語の特徴
- 文章を短く直接的に表現
- 言葉の強調がはっきりした印象
- 言葉の省略形を使用する
- 単語の途中に入るRを発音し、Tははっきり発音しない
イギリスで学ぶことの魅力 3
オックスフォードという
学びの環境
オックスフォードの歴史
オックスフォードはチャーウェル(Cherwell)とテムズ(ここではIsisと呼ばれている)という2つの川が合流する場所に位置しています。オックスフォードという地名はここが浅瀬のため牛の渡し場があったことから「雄牛oxen」が渡ることのできる「浅瀬ford」という意味でOxfordと呼ばれるようになったとされています。
また伝説によると8世紀にサクソン族の皇女フリーデスウィーデが、現在クライストチャーチがある場所に修道院を建て、それがこの町の始まりと言われています。オックスフォードの存在は912年の「アングロサクソン年代記」に記載されており、1066年のノルマン征服の時には既に英国でも最大級の町に発展しています。
オックスフォードは豊かな農業地帯に位置し、テムズ河はロンドンやイギリス中部地方にもつながっているため、交通の要衝として商業も栄えました。
1090年頃からは学僧たちが集まり始め、徐々に大学としての形ができあがってゆきました。また1167年にパリ大学で勉強していた英国人留学生が追放され、彼らの多くが利便性の良いオックスフォードに移動してきたと考えられており、1200年までにはパリ大学と同様のコースを提供するまでになります。
オックスフォードで最初のカレッジである、マートン・カレッジ、ユニバーシティ・カレッジ、ベイリオル・カレッジは1260年代までに創立されています。
中世になると、大学の勃興に脅威を感じたオックスフォードの市民と学生(Town and Gown)との関係が悪化します。1355年には、「タウン(町)とガウン(学生)」の間に、「聖スコラスティカの日の暴動」という、学生が殺害される事件が起きました。
国王や教会に支持された大学側が一方的な勝利を収め、市長は投獄、町は大学に対して罰金を毎年支払うことになります。この事件以後、町の実権は学長(大学)が握ることになります。
これを契機に、交易で栄えていた町の商業は衰え、大学都市としての発展の道を歩むことになります。
オックスフォードが産業で活気を取り戻すのは、1900年代の前半、市内に自動車工場が作られ、イギリス全土の自動車の4割以上がここで生産されるに至った時です。
1970年代初頭までには、2万人を越える人々が、巨大な工場群に雇用されていました。自動車工場への移民労働者の流入、近年における東南アジアや東ヨーロッパからの移住、そして学生と、オックスフォードは一大コスモポリタンとなっています。
オックスフォードの町
オックスフォードのシティ・センター及びオックスフォード大学のキャンパスは全て徒歩圏内となっています。
High St.沿いにあるカーファックス・タワーやMagdalen St.にあるバスターミナルを中心として、シティ・センターと周辺の住宅地や町を走っている路線バスも数多く運行しています。
学生の多くは、バス、自転車、徒歩で通学しています。オックスフォード市の面積は45.59km²。日本でいえば東京の練馬区を少し小さくしたくらいの大きさです。オックスフォードという名前はとてもビッグですが、実サイズは意外に小じんまりとしています。
市の中心部は歴史的な建物が密集していますが、全体の土地の52%はオープンスペースとなっているので、とてもゆったりした感じがします。また27%は公園やメドウなどの緑地帯です。
オックスフォードは、イングランド南東部に位置しており、テムズ川とチャーウェル川の合流地点にあります。
オックスフォードの西に広がるコッツウォルズ丘陵には、イングランド有数の美しい村々が点在。オックスフォードの13km北西のウッドストックには、世界遺産にも登録されている、ウィンストン・チャーチル首相の生家、ブレナム宮殿があります。
また40km北西にはシェイクスピアの生誕地として有名なストラトフォード・アポン・エイヴォンがあります。
オックスフォード大学
英語圏最古の大学、オックスフォ ード大学。誰しもその名を一度は耳にしたことがあるはずです。
オックスフォード大学は英国オックスフォ ード市にあり、8世紀以上に渡り世界のアカデミズムをリードし続ける、世界を代表する大学です。
オックスフォードを訪れてまず気づくことは、 オックスフォード大学というキャンパスが存在しないということ。オックスフォード大学というのは、独立した自治権を持つ44のカレッジ(正確には38のカレッジと6つのパーマネントプライベートホール(PPH)と呼ばれるキリスト教系の教育機関)の連合体を指しています。
学生は全てどこかのカレッジに属し、そこが学生生活と学問的修練の場となります。カレッジとは別に、教育組織としての学部は大学の管理下にあり、大学としての講義やプログラムを運営しています。
大学とカレッジ、この2つの組織の有機的な働きが、オックスフォード大学の教育を特徴づけていると言えます。オックスフォードの在籍学生数は約2万2千人、学部生11,703人、大学院生10,173人で男女比は概ね半々です。
授業はチュートリアル(個人指導)中心の非常にハードな内容にもかかわらず、ドロップアウト率は全体の1.6%(2015年の調査結果)。これはイギリス全国平均の7%に比べると非常に少ない数字となっています。言い換えれば、英国の最難関大学であり、入学生は十分ふるいにかけられているということでしょうか。
専攻分野でみると、学部生では64%が文系・36%が理系、大学院では、60%が文系・40%が理系のコースで学んでいます。入学志願者数は1976年には6,300名だったのが2015年には18,300名(合格者は3200名)となり、ここ30年で志願者は約3倍に増加しています。
チュートリアル(個人指導)オックスフォード大学の教育を特徴づけ、その高い学問的水準を維持し続けている理由は、チュートリアルシステム(個人指導方式)による授業にあります。全ての学生には担当の指導教員(チューター)がつき、毎週与えられたテーマについてリサーチをし、エッセーを書いてチュートリアルに臨みます。
チュートリアルは週に1回、1時間程。学生は1人~4人で、自分の意見を主張したり、別の考えを受け入れたりしながら、深い議論を行います。所属するカレッジに専門のチューターがいない場合は、別のカレッジへ出向いて受けることもあります。大学で行われる講義やセミナーに出席するのは、このチュートリアルを補完するものとして考えられており、言い換えれば、講義への出席が直接卒業に結びつくことはありません。日本やアメリカのような、科目ごとに単位を加算して合計単位を目指す方式ではないのです。
卒業してめでたく学位を手にするためには、1年生の終わりと、3年生の終わりに行われる2回の試験にパスしなくてはなりません。何が出題されるのかわからない試験に備えて、チューターと意見をぶつけ合い、考える力と発表力を養うのがチュートリアルです。
オックスフォード大学のチュートリアルの厳しさは有名で、準備のための徹夜はあたりまえ、前日は緊張で眠れない夜を過ごす学生も多いとか。